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クリエイター必見。プロが教える著作権あれこれQ&Aクリエイター必見。プロが教える著作権あれこれQ&A

第1回 著作権とは

一級知的財産管理技能士・Admirhythm行政書士事務所のゼンキです。日々、クリエイターの方が円滑に創作活動できるように法務面からサポートをさせていただいています。今回、知的財産やライセンスについての連載をさせていただけることになりました。読者の皆様はクリエイターや作品に関わる権利である”著作権”に関心がある方が多いと思いますので”著作権”を中心にお話させていただきたいと思います。みなさんのちょっとした疑問を解消できたら幸いです。第1回目は著作権がどんなものかに触れていきたいと思います。

Q1

著作権って何ですか?

A

著作物を創作した人に与えられる権利です。著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法第2条第1項第1号)と定義されています。デザイン、音楽、写真、小説、俳句、など作り手の思想や感情に基づいてつくられたものは基本的には著作物にあてはまります。プロであるかアマチュアであるかは関係ありません。

Q2

デザイナーです。
仕事仲間と飲み会でアイデアを話していたらアイデアごと盗まれてしまいました。
著作権の侵害ではないでしょうか?

A

結論から言うと著作権の侵害ではありません。著作権は具体的に「表現したもの」を保護するので、どんなに良いアイデアでも、アイデアのままでは著作物にあたらないからです。

Q3

面白いキャッチフレーズをみかけたので自分の企画でも使いたいです。
問題ないですか?

A

標語やキャッチフレーズのような短いフレーズは著作権で保護されないケースが多いです。短いフレーズは表現が似通う傾向にあり、これを著作権で保護すると弊害が大きいからです。たとえば、サッカーで良く使われる「絶対に負けられない戦いがそこにはある」というフレーズはありふれた表現になるので著作物には該当しないと考えられます。ただし、使い方によっては著作権以外の別の法律に関わることもありますので、注意するようにしましょう。

Q4

二次創作で作ったものって権利は大丈夫なの?

A

二次創作は、厳密にはオリジナルの著作物の著作者の翻案権に触れる行為です。ただし、全てがNGではなく私的な使用(個人的もしくは家庭内やそれに準ずる範囲で使用)することは著作者の許可は必要ありません。

PROFILE

善木 大介Daisuke Zenki

岡山県出身。音楽とサッカーを愛する知財マニア。音楽ビジネスの契約・権利管理業務を担当しながら法律を勉強し、一級知的財産管理技能士や行政書士の資格を取得。著作権を専門として活動を行なっている。

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