





Vol.0
2024.05.28
中嶋イッキュウと行く『最後は最初。』プラスティック再生工場
tricotやジェニーハイのヴォーカルをはじめ、幅広い分野で活躍する中嶋イッキュウさんは、たびたび作品やプロダクトの開発を通して環境や社会に問題提起を行う。2024年春、RE/SAUCE Projectでも廃ビニール傘を主としたアップサイクルブランド「octangle」とイッキュウのブランド「SUSU by Ikkyu Nakajima」のコラボレーションを実現した。アーティスト活動の一つとして、プラスチック再生工場を訪れた彼女が感じたこととは。
ソロミニアルバム「DEAD」こぼれ話
売れ残った流通在庫品。しかし、長期間倉庫の片隅で時代を経るうちに、貴重な魅力を持つようになった古着。それが「デッドストック」であり、ミニアルバム名の由来だ。
2019年に作った、でもCDもイッキュウの名にちなんで19枚しか発売しなかったりと、幻といってもいい曲たち……言うなら楽曲の“デッドストック”をリメイクして、今の自分なりに蘇らせることに決めました。さまざまな新しいことに挑戦したり、考えを巡らせ続けている中にも、ずっと同じ気持ちがあって。なんだろう。去年(2023年)にTシャツを作った時ともリンクしていて、じつはタイトル、ロゴデザインが当時のものと同じです。

※プラスチックを再生させた花束(octangle)
シューティングをものづくりの現場で
ファッションブランド「SUSU by Ikkyu Nakajima」の立ち上げ、多彩なプロダクト製作、そして今回のアートワークを貫くのは、これだけあればもう他は要らない、“特別なひとつ”を創り出すというビジョンだ。
もともと古着が好きというところはあったけれど、作品展「DIY or DIE」(2022年)のときにリメイクばかりを手がけた、あのときのマインドを、自分のブランド(「SUSU by Ikkyu Nakajima」)につなげていきたいという気持ちが高まっています。今回、再生工場という、最先端のものづくりの源になる現場でシューティングしたいね、となったのも自然な流れでした。

創造の原料「廃プラスチック」
圧縮梱包された廃プラスチックは想像以上に巨大だった。アルバムと平行で制作したZINEには、本コンテンツとは異なるシューティングカットが収録される予定だ。Ikkyuは、我々がつい理解したものと思いがちな「リサイクル」という概念の先を、自身の表現に昇華させた。
私たちにとって、基本的にゴミは収集車に運ばれる時点で終わるものであって、その先を見る機会はなかなかありません。でもこの工場は、すべての人に関係のある場所だと思いました。ゴミも人も最終的には同じ。人間のほうが寿命が長いというだけで、どちらも埋められる。そんなことが頭によぎったんです。
今は、廃プラスチックのアップサイクルで何かデザインプロダクトを作れないか、興味が湧いています。「SUSU by Ikkyu Nakajima」で、循環に貢献できたら嬉しいですね。ただ、押し付けがましいのは嫌なので「いいな」とか「楽しそう」と思ってもらえたらと思います。工程のハードルは高そうですが(笑)。
今は、廃プラスチックのアップサイクルで何かデザインプロダクトを作れないか、興味が湧いています。「SUSU by Ikkyu Nakajima」で、循環に貢献できたら嬉しいですね。ただ、押し付けがましいのは嫌なので「いいな」とか「楽しそう」と思ってもらえたらと思います。工程のハードルは高そうですが(笑)。

Location:⼤栄環境株式会社
Styling & Hair & Make:CON
Cooperate with octangle
撮影:kaochi
プラン・コーディネーション:カトー
取材・執筆:都恋堂
Cooperate with octangle
撮影:kaochi
プラン・コーディネーション:カトー
取材・執筆:都恋堂