
vol.2 神宮前2丁目の「土間食堂ぎっちょん」なヒト 〜店主・服部 裕さん 服部 妙子さん〜
RE/SAUCE Magazine プロデューサー・カトーの
ボクが“ぎっちょん”を好きな理由
・長年通い続けても飽きない味
「もう25年くらいランチに通っていて、多いときは週2~3回の頻度です。いつも頼むのは『じゅうじゅう焼きLサイズ、キャベツ増し』ですね。5回に1回くらいは『ハヤシライスLサイズ、ハンバーグ1個のせ』を注文します」
・メニューの提供スピードが速い!
「“ランチする時間が30分しかない”というときは、だいたいここにしますね。手際よく作ってくれるので、サッと食べて帰れるので助かっています。時間に余裕があるときは食後にアイスコーヒーを頼んで、ゆっくり過ごします」
・午後からもがんばれるパワーをもらえる
「豚肩ロースでタンパク質、キャベツでビタミン、それからお味噌汁も付いていて、おいしくスタミナ補給できるんです。テーブルにあるゴマ塩をごはんにかけるのは必須! こういうお店って、神宮前2丁目では珍しいんですよ」
「土間食堂ぎっちょん」ってこんなトコロ
1979年創業。神宮前2丁目で40年以上営業を続ける老舗食堂。店名は、遊具のシーソーで遊ぶときの「ぎったんばっこん」という日本語のリズムを短縮して「ぎっちょん」に。ランチタイムは看板メニューの「じゅうじゅう焼き」と「ハヤシライス」の2種類。ナイトタイムは、お酒とともにさまざまな創作料理が楽しめる。後進育成にも力を注ぎ、同じく“神二”にある人気のスパイス料理店「HENDRIX CURRY BAR(ヘンドリクス カリー バー)」の立ち上げにも貢献している。

看板メニューの「じゅうじゅう焼き」Mサイズ(ライス、みそ汁付きで850円)。醤油ベースの自家製ソースは、ごはんが進む味

注文が入るたびに1食ずつ調理。アツアツの鉄板でキャベツに火を通し、その上に炒めた豚肩ロースを載せる

現在の5階建てビルに改装される30年以上前の店舗写真。当時は山小屋風の内装だった

保冷効果のある銅製マグカップで提供されるアイスコーヒー

特注のハヤシライス用鍋。毎日これで5.5kgの玉ねぎをアメ色になるまで炒め、ハヤシライスを仕込んでいる

木の温かみを感じられる、隠れ家のような店内
服部裕さん、服部妙子さんにとって“神二”とは?

ー神宮前2丁目にお店を出した理由は?
裕さん:元々は、このエリアのアパレルメーカーに勤めていたんですよ。数年が経った頃に“この先、洋服屋は難しいなぁ、飲食店がやりたいなぁ”と思い始めたんです。営業先で安くておいしい飲食店にいろいろ連れて行ってもらったことが大きいですね。それで会社を辞めて、ピザが好きだったので、新宿のピザのお店で働きました。そこから独立するときに、土地勘もあったし、“アパレル時代の仲間が来てくれるかなぁ”という期待から神宮前2丁目に店を構えました。
妙子さん:最初は目玉焼きも作れなかったのに、よくやったよね(笑)。
ー40年以上、この場所でお店を続けてこられた秘訣を教えてください。
妙子さん:私が一緒に働いているからよ(笑)。あと、元気だから。毎日2人で自宅のある高円寺からここまで、30分くらいかけて自転車で通っているの。私は電動自転車だけど。
裕さん:僕は自転車が好きなので、ロードバイク(笑)。ほかに秘訣は、定休日に休んで、また月曜日からお店を開けて、その繰り返しをしていたら、たまたま46年続いちゃった、って感じかなぁ。
ー“神二のいいところ”ってなんだと思いますか?
裕さん:駅から少し離れていて、個人経営のお店ががんばっていますよね。ユニークなお店も多いし、そういうところが魅力です。僕も含めたオーナー連中の仲がよくて、「じゃあ、自分たちの営業が終わったら、あそこの店に行ってみようか」って誘い合う感じなんですよ。“村的”というか、人の繋がりがある場所なので居心地がいいなと思います。ここでやっていてよかったと思いますね。
服部夫妻のお気に入り神二スポット
鳩森八幡神社

応神天皇と神功皇后を祀り、平安時代に創建された神社。境内には、富士山登頂と同じご利益を得られるといわれている“冨士塚(東京都指定有形民俗文化財)”がある。「5年前の香港旅行で占いをしてもらったときに、『誕生日に鳩にエサをあげてください』と言われてから、毎年の誕生日にお参りしています」(妙子さん)
コーディネーション:HAL.カトー
構成・取材・執筆:依知川亜希子